アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役
稲盛 和夫
本から遠ざかっていたわけではないが、
久しぶりにこの分野の本に触れ、刺激を受けた。
京セラの名誉会長・稲盛氏の経営哲学を紐解いたもの。
すごい経営者ってなんだ?!
私にはピンと来ないが、彼はすごい経営者だと感じた。
それは武勇伝が綴ってあるからではなく、
会社とは何かという彼の哲学に魅了されたと言ってもいいかもしれない。
会社を立ち上げた当初から、社員のためにも、
全力投球で会社を運営する責任を強く持ってこられたようだ。
金儲けに目がくらむようでは、経営者として不十分。
しかし、利益があってこその会社。
「売り上げを最大に、経費を最小に」すれば、自ずと利益は生まれるのだ。
『アメーバ経営』と題名にも出ている「アメーバ」だが、
これは会社内の部門の単位を指している。
部門のリーダーを経営者とし、それぞれが切磋琢磨しながら、
全体の利益を生み出すことが理想なのだ。
書中では、このアメーバ単位での経営手法を事細かに説明されているが、
やはり私にとっては、稲盛氏が繰り返し強調しているコトバがとても印象的だ。
アメーバのリーダーに限らず、社員全員に課せられている判断基準がある。
「人間として何が正しいか」
このコトバについて、きっと当たり前だと感じるかもしれないが、
昨今、報道が絶えることのない企業の不祥事は、
この当たり前が発端だと感じざるを得ない。
理解できる部分が全てではないにしろ(私も含め)、
偉大な経営者のフィロソフィーに触れてみてはいかがだろうか。