格差社会―何が問題なのか
橘木 俊詔
村上龍の『半島を出よ』を思い出す。
近未来の日本が設定の物語で、リアルで怖い。
ホームレスが増え、国際社会から取り残されている日本なのだ。
一億人が中流階層だった頃から、何かが徐々に狂い始め、
今や世界の中で、OECDの中でも格差が顕著だということを教えてくれる。
非常に問題意識をかきたてられた。
大きな政府か小さな政府か。
国が選択する際、自由市場なのか、公共性なのかを指標とする。
この微妙なバランスが難しいと私自身も感じる。
日本でこれ以上税金を上げて、受け入れられる風土は存在しない。
しかし、このままでは先行きは暗い。
国民が安心して国政を任せられる政治家がいれば、
お金の使い方も無駄がないはずなんだ。
一本の糸が絡まり、ごちゃごちゃになって、
解くのさえ嫌になる・・・・そんな状態が今の日本という国。
誰かハサミを入れるのではなく、
結び目となる前に、
一本の糸に戻る段階まで、ほどいてくれ。
権力がある、偉大な人がその意識を持って欲しいと切望する。